こころの世界を読み解く

"生きやすさ"を心理学の知識とともにお届けします。

人間関係とその限界を読み解く。

こんばんは、りょーやです。

多分「はじめに。」から続けて読んでいただいていると思います。ありがとうございます。笑

(あ、まだの人は先に下の投稿を見てほしいです!!)

cl-psy-ryoya0617.hatenablog.com

 

さて、一番最初に扱うテーマは「人間関係」です。「はじめに。」で述べたように、まとめ→問いかけ→考察の順に書いていきます。

1. まとめ

①自分にとっての重要他者を整理すると、自分の社会的ネットワークができる。誰にどんなサポートを日頃頼っているのか見てみよう。

 

②社会的サポートには、一般に「情緒的サポート」「情報的サポート」「道具的サポート」「評価的サポート」の4種類がある。

 

③人との関係性は強い紐帯(頻繁に会う人や強い関係がある人)と弱い紐帯(滅多に会わない人や浅い関係にある人)に分けられると言われている。また、ダンバー数という概念があり、そこでは人間は150〜250人くらいの人としか人間関係を維持できないと言われている。

 

SNSの台頭によって、人間関係の量とその強弱はかなり破綻しかけているのかもしれない。誰との関係が強いのかあるいは弱いのか、また誰に何を頼っていてそれは自分の願望に沿ったものなのか。じっくり見ていくと、もっと生きやすい人間関係図を構築できるのかも。

2. 問いかけ

自分にとっての重要な他者との関係図はどんなものでしょうか?

また、誰から日々どんなサポートをもらっているのでしょうか?

僕たちは、日々いろんな人と関わって生きていると思います。そして、その関わる様々な人々からいろんなサポートを貰って、生きているはずです。そのサポートの強度や種類は、おそらく関わる人によって変わってくるのではないでしょうか? 

3. 心理学の知識と"生きやすさ"の考察

社会的サポートの種類について

人から受けるサポートのことを、社会的サポートと言います。んでもって、これは主に4種類に分類されていると言われています。

情緒的サポート:相談に乗るなど、感情を主な材料としたサポート

情報的サポート:問題の解決に必要なアドバイス・情報を用いたサポート

道具的サポート:お金やサービスなど、形あるものを用いたサポート

評価的サポート:肯定的評価を通したサポート

例えば、家族からはお金の援助と困った時の相談をサポートしてもらっているとしたら、それは①と③に分類されます。また、頼れる上司から仕事上のアドバイスと落ち込んだ時の助けをもらっているとしたら、①と②、そして④でしょうか。(おごってもらっていたら③もかも?笑)

 誰から何をサポートしてもらっているのか、色んな人に対して整理してみると、自分に何が足りないのか、またある人に本当に求めたいサポートの内容が違っている、なんてことが分かるかもしれません。

社会的紐帯とダンバー数

数年に1回の同窓会で会う程度の人と、毎日顔を合わせて生活をする家族とでは、繋がりの糸の強さが違いますよね。この繋がりの糸の強さを社会学では、「社会的紐帯」と言います。このうち、前者のような滅多に合わないような人との関係性を弱い紐帯(ウィークタイ)、後者を強い紐帯(ストロングタイ)といいます。

多分図にしていく中で、案外この人とこんな関係だったのか...と気づかされることがあると思います。あるいは、この人とはもう少し遠い距離感を持って接していく方がいいな、と感じることもあるかもしれません。 

 

また、人類学ではダンバー数という概念が存在します。これは、人間が脳の構造的に他者と人間関係を維持できる人数を指し、その数はだいたい150〜250くらいと言われています。(ここには多数批判はあるのですが、一旦置いておきます。)ここからは僕の想像でしかないのですが、おそらく、このダンバー数で指す人々は強い紐帯の人間関係を持つ人だと考えてよいと思います。この投稿では、それを仮定としておいて考えてみますね。

SNSの台頭と併せての考察

最近本当によくSNSのことが取り上げられますが、ここまででお話ししたことと合わせると、人間関係というものにとんでもない変化が起きているのではないか、と思います。

というのも、僕たちは気がつかないうちに、大量の人間に対して評価的サポートと強い紐帯の関係性を作ろうとしているのかもしれない、ということです。例えば、Twitterでいいねを求める行為は、ある種評価的サポートへの欲求と言えるでしょう。その上、オフラインで会う機会がなくなった人たち(例:小学校の時の同級生)にオンラインで常に繋がれます。つまり、すごく大量の人たちとオンライン上での強い紐帯関係を結んでいるのです。しかもダンバー数の概念を考慮すると、僕たちは150〜250人というキャパシティを超えて大量の人たちに評価的サポートを求める強い紐帯を大量に作ろうとしていると言えるかもしれません。

でも振り返ってみると、本当に僕たちはその人たちからサポートを受けたいのでしょうか?生きるには確かに誰かからの支援がないと成り立たないのは間違いないですが、紐帯やダンバー数を考えて目線を移せば、あまりに大量の人間関係はヒトの心と認識を壊していくのかもしれないです。

 

日頃接する人もそうですし、オンラインで接する人もそうですが、本当にその関係性が正しいものなのか、は問い直してみるとよいのかもしれません。もちろん、だからといってあいつと縁を切れ!!ってわけではなく(笑)、誰とどういう関係でつながって、支え合って生きていこうって決めていくことが大切かもしれないです、ということです。 誰にどんなサポートを求めていて、その量と繋がりはどれくらいの強さがよいのかを少しずつ認識できるようになると、日々の生活が生きやすいものになるかもしれません。

おわりに

冷静に考えて、日々いろんな人と話して関係して生きている上で、家に帰っても遊びに行った時にも誰かに評価や関係を求めるのって、とても疲れますよね。SNSの正しい使い方、なんてよくみますが、多分論点はそこではなくて、「使い手がどんなスタンスを持って使い、誰とどんな関係性を求めているのかを自認すること」が大切なのだと思います。よかったら、今回出た社会的サポートと紐帯そしてダンバー数を観点として、ご自身の人間関係図を描いてみるとよいかもです。そして、また明日からいろんな人たちとどう関わっていくのか、その生きやすさを感じてもらえたら、と思います。

 

ではでは。