こころの世界を読み解く

"生きやすさ"を心理学の知識とともにお届けします。

人生の筋道と僕たちの変化を読み解く。

こんばんは、りょーやです。

お久しぶりです。この1ヶ月、引っ越しが忙しくてサボってしまっていました。笑

また今後は週1以上を目安に投稿を再開していこうと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。

さて、今回のテーマは「人生とパターン」です。問いも結構大きなものになると思いますが、ぜひ考えてみてください。

1. まとめ

 ナラティブセラピー(物語療法)という心理療法では、人生の出来事のある一定のまとまりをプロット(筋道)という。プロットの再解釈や統合をもって、患者の問題解決を図るものである。

 

②人間のプロット解釈は暗黙的に中々変わらない一方、脳や認知処理パターンは日々少しずつ変わっているかもしれない。となると、プロットの再解釈や現在への応用こそが、明日のやりやすさ/生きやすさを生むのかもしれない。

 

2. 問いかけ

これまでの人生を以下のように振り返ってみてください。

①年齢ごとに大きく区分して、各年でおきた最大の出来事を、思いつく年だけで良いので書いてみる

②上で挙げた最大の出来事それぞれについて、「起きた理由/きっかけ」「詳しい内容」「あなたに及ぼした影響」の順に時系列で書いてみる

例えば「2015年に大学合格を果たした」ことを例に挙げるとします。その場合、きっかけには高校の先生に推されて行きたい大学への興味を持ち始めたことがあるかもしれません。そして大学合格の過程には、中々成績が伸びず悩む時期が最後まで続くも、直前期に急に成績が伸び始めて合格を勝ち取れたのかもしれません。また、その合格によってあなたは自分の力で勝ちを得ることを知る、という経験ができたのかもしれません。

これはほんの一例で、しかもまだまだ軽いまとめにすぎませんが、皆さんには人生の中に大きな出来事はたくさんあるのではないでしょうか?

3. 心理学の知識と"生きやすさ"の考察

人生のプロット(筋道)と、その繰り返しという見方

心理療法の1つに、ナラティブセラピー(物語療法)というものが存在します。簡単に言うと、患者さんが自分の人生についてカウンセラーと振り返り、これまでの人生の物語を再解釈し、得た発見を元に問題解決をしていこうというものです。今回はこの理論から、"プロット(筋道)"というものとその解釈の1パターンを主に抜粋していこうと思います。

プロットとは出来事の集合体を刺します。時間軸に沿って人生で起きる出来事同士は、気づかぬところでリンクしていて、そうした過去の集合体が今の僕たちを形成している、という考え方をします。このプロットを、ここでは「繰り返しが起きている」という解釈に基づいて読み解いてみます。

例えば先ほど挙げた大学合格の人(Aさんとしましょう)の例について、この人は部活で良い成績を出すときも大会間近になって急に本調子になり、大会で好成績を出せたとします。この人の人生の物語について、プロット2つは「ギリギリになると力が湧いて良い結果を招く」という類似の関係性を持っていると解釈できるでしょう。

でもそんなAさんも、最近どうやら仕事で不調続きで何もかもがうまくいかなくて...とした時に、人生を振り返ったとします。もしかしたら、このAさんはこれまで「ギリギリになると力が湧いて良い結果を招く」というプロットを暗黙的に盲信しすぎて気がつけばただの怠け者さんになっていた、なんてことがあり得ます。そこでAさんは、「ギリギリになったら力が湧く」ではなくて、「日々の努力が期日や本番間近になると発揮される」とプロットを再解釈してまた明日から頑張れる...、といった具合に、このプロットというものは解釈され直されたり統合されたり、僕たちの日々の中に溶け込んでいます。

たった一人でこんな上手に人生の解釈ができたら困りませんが、「プロット同士の類似性」に着目して、上の問いかけを見つめ直してみてください。

認知処理の経年変化という可能性

一旦プロットのお話は置いて、今度は僕たち人間という生き物の脳と認知に着目してみましょう。僕の推測でしかないですが、端的に言うと、僕たちの脳や認知処理パターンは年を経るごとに変わっていっているかもしれない、ということです。一定時間を超える瞑想(マインドフルネス)を行うと脳の灰白質が肥大するなんて話もありますし、とてつもない過去によって、通常ではあり得ないような人格を持った人がいるなんて話もあります。日々、色んな刺激に触れて生活する僕たちは脳も変化すれば、頭の使い方すなわち認知処理パターンも変化していておかしくないはずです。

また、以前ブログで書いた、意味ネットワーク理論の内容はこの小項目の理解を深めてくれるかもしれないので、一応リンクを載せておきます。

cl-psy-ryoya0617.hatenablog.com

おわりに

上に述べた2つのことを考慮して、こう感じました。僕たちの物事への取り組みやすさ/やりやすさは日々変化しているかもしれないし、昔と同じように物事に取り組んでうまくいくとは限らないかもしれないです。自分の人生のプロットは変わらない一方で、脳の処理パターンは徐々に変わっていく。そしてあるとき、「あれ、おかしい?」を感じ、しんどくなる。こんなときは、人生のプロットを洗い出してその関係性を見つめ直し(信頼できる人と紙に書いてざっと見るのもよいですね)、再解釈/再構築する。そこからあなただからこそのやりやすさ/生きやすさが見つかると、もっと楽しくなるかもしれませんね。

 

ではでは。